個人向けの給料ファクタリングが違法の理由とは

中小・零細企業の経営者が短期間だけ事業資金を調達する方法のひとつが、ファクタリングのサービスです。これは将来に支払われる予定の売掛債権を現金化するサービスで、手数料を差し引いた残りを現金で受け取ることができます。事業者の売掛債権の譲渡は「債権譲渡登記法」という法律によって認められており、法務局に登記を行うことで法的に債権者の名義を変更することができます。ただし法務省の見解によれば、債権譲渡登記法で名義変更が認められているのは法人が所有する債権に限られます。

個人が将来に受け取る予定の債権(給料など)は債権譲渡登記が認められていないので、債権買取(ファクタリング)は成立しません。「給料ファクタリング」と呼ばれる個人向けのサービスが存在し、このサービスを利用すると給料日の前にお金が受け取れます。それでも個人が受け取る債権については債権譲渡登記ができないので債権の買取には該当せず、実際は給料日までのつなぎ融資サービスとなります。短期間であったとしても、融資サービスを行うためには銀行または貸金業法で登録された業者に限られます。

貸金業法で登録されていない業者が給料ファクタリングと称して個人向けに融資を行うことは、違法行為に該当します。給料ファクタリングは債権買取ではなくて個人向けの融資サービスであり、徴収される“手数料”は利息とみなされます。ちなみに手数料を利息とみなして年率換算をして利率が20%を超えるような場合には、闇金行為になります。

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